長門市IT関連企業等集積拠点施設 IT company concentration base facility
ひと・モノ・コトを“つなぐ”ベンチャービレッジ
山口県長門市で設計中のIT関連企業等集積拠点施設である。都市部のIT関連企業等を誘致し、市内企業と有機的に結びつけることにより、産業のDX化促進やイノベーション促進等による生産性の向上を図るとともに、新たな若者の雇用創出や市内定着の促進を図るため、その中核的施設となることを目指す。
本計画では、三隅・湯免地区にある廃校となった専門学校を改修し、サテライトオフィスを主として、カフェ食堂やイベントスペース、交流スペース、シェアキッチン等の機能を設ける。市の豊かな「自然」・「食」・「温泉」といった資産を最大限に活用し、都心では提供できない魅力あふれる働き方を実現させるワークプレイスをつくることで、都市部企業に選ばれる複合拠点を生み出す。
改修計画としては、敷地内の既存2棟について、大きな吹き抜けをつくり、庭へとつながる掃き出しサッシで多様な交流を促すA棟と、なるべく既存の状態を活かしてオフィスを集中的に配するB棟として新たに整理し、あえて仕上げや空間には余白を残すことで、将来的な拡張性を備えることとした。
整備方針として、建築の余白だけでなく、まちの余白もこの施設の一部と捉えることでまちを巻き込み、施設内で完結しがちなコミュニティやアクティビティがまちへと拡張することが本計画では期待されており、既存棟の改修に加えて、ひと・モノ・コトをつなぐ「リング状の回遊歩廊」(リング)を新たに提案した。このリングは棟間を機能的にスムーズにつなぐだけでなく、既存建物の閉鎖的な構えを地域に開き、施設利用者だけでなく地元の人たちも気軽に立ち寄れるような構えをつくる。また、リングで囲まれた中庭は快適な屋外空間となり、テラスではお茶をしながら快適に仕事ができたり、芝生広場ではヨガレッスンなどのイベントも開催することが可能である。
施設の中だけでの賑わいを重ねるのでなく、リングを挿入することで外へと人があふれ出し、まちへと拡がるベンチャービレッジとなることを期待し、現在設計を進めている。
所在地 | 山口県長門市三隅 |
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用途 | IT関連施設等集積拠点施設 |
敷地面積 | 3,188㎡ |
延床面積 | 2,942㎡ |
協働 | 一級建築士事務所YWA、MASASHI FUJINO ARCHITECTS、山根建築設計事務所、藤田建築設計事務所 |
構造 | 門藤芳樹構造設計事務所 |
電気設備 | ELECTRIC PLANNING SENO |
機械設備 | 谷端設備設計事務所 |
サイン計画 | hokkyok |
完成時期 | 2025年秋・予定 |
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